結婚していても、ふとした瞬間に感じる「満たされなさ」や「誰かと話したい」という気持ち。
日々の生活の中で、そんな“心の余白”を抱えているのは、決してあなただけではありません。
今回ご紹介するのは、既婚者専用のマッチングコミュニティ『marie(マリー)』。
恋愛や浮ついた出会いではなく、「ただ誰かとつながりたい」「言葉を交わしたい」と願う人たちのための、ちょっと特別な空間です。
実際にmarieを利用してみた筆者が出会ったのは、30歳のパート勤務の女性と、40歳の看護師として働く女性。
どちらも家庭という場所を持ちながら、「自分を見てほしい」「本音で話せる誰かがほしい」という思いを静かに抱えていました。
会わなくてもいい。
でも、話を聞いてもらえるだけで、誰かに共感してもらえるだけで、人は救われることがある――
そんなやり取りが、確かにそこにはありました。
この記事では、marieというサービスの使い心地や安全性はもちろん、実際に出会った2人とのやり取りを通して感じた「新しいつながりのかたち」について、正直な体験をもとに綴っていきます。
marieとは|既婚者用匿名型マッチングコミュニティ

「marie(マリー)」は、既婚者同士が“心のつながり”を求めて出会うための、匿名型マッチングコミュニティです。
いわゆる恋活・婚活アプリとは大きく異なり、marieは既婚者であることを前提にした出会いをコンセプトに設計されています。
なぜ“既婚者専用”なのか?

一見すると矛盾しているようにも思える「結婚している人がマッチングアプリを使う」という行為ですが、marieではそれを否定的に捉えるのではなく、“人間らしい感情”として正面から向き合う姿勢を大切にしています。
「結婚して家庭があっても、満たされない何かがある」
「家族とは違うかたちで、誰かに寄り添ってほしい」
marieは、そうした心の余白や孤独感に寄り添い、癒やしや理解を得られる場所として存在しています。
サービスの構造と特徴
匿名性の重視

marieはスマホアプリではなく、Webブラウザ上で完結するシステムを採用。履歴が残りにくく、プライバシーに最大限配慮されています。
また、ニックネーム制や顔出し不要といった設計で、「身バレ」が極力起きにくい設計になっています。
相互承認で安心スタート

一方的なメッセージ送信はできず、双方が“いいね”を送り合って初めてメッセージルームが開くというシステム。無理なアプローチやストーカー行為の予防にもつながっています。
派手さよりも“静かさ”を重視したUI
アプリのように目を引く通知やランキングは存在せず、「誰かと静かに、心の交流を育てる」ことに集中できる落ち着いた設計です。
人と人の“余白”をつなぐ、新しいかたちのマッチング

「marie(マリー)」が他のどんなマッチングアプリとも違うのは、その根底にあるコンセプトが**「恋愛」や「結婚」ではなく、“余白”を埋めることに焦点を当てている**という点です。
人は皆、日々の生活の中で何らかの“役割”を背負っています。
妻として、夫として、親として、職場の誰かとして。
忙しさや責任のなかで、自分の感情や弱さを押し殺して生活していることも少なくありません。
marieは、そうした誰にも言えない孤独や、満たされない感情に優しく触れてくれる関係性を築くための場です。
- 「一緒にいても、心の会話がなくなった」
- 「ふとした瞬間に、“私って誰なんだろう”と感じる」
- 「誰かに『わかるよ』って言ってほしいだけなのに、それが叶わない」
そういった、声にならない思いを抱えた人たちが集まり、ゆっくりとつながっていくのがmarieという場でした。
共感と承認のキャッチボール
marieでのやりとりは、どこか恋愛よりも“対話”に重点がある印象です。
「何をしているか」ではなく「何を感じているか」。
「どんな人か」ではなく「どんな風に心が動いたか」。
そんな風に、感情や思考を交換し合うことで、「他人の言葉に救われる」という体験が生まれます。
それは、現実の家庭や社会では得られにくい、心の深い部分でのつながりです。
“不倫”や“浮気”とは似て非なる関係性
もちろんmarieは、既婚者同士のマッチングサービスである以上、誤解を受けることもあります。
でも実際に使ってみると、「会ってすぐにどうこうしたい」「スリルを求めたい」といった短絡的な動機よりも、時間をかけて理解し合いたい、安心感を得たいという方が圧倒的に多いことに驚かされました。
言い換えるならこれは、“余白”のある人同士が、お互いの「こころの居場所」になるための関係性。
日常の役割から一歩引いた場所で、自分らしさを思い出させてくれる――
そんな“静かで穏やかなマッチング”が、marieの本質なのだと感じました。
登録してみた感想|シンプルで匿名性が高いのが好印象

登録はとてもシンプル。アプリではなくブラウザ完結型なので、スマホに履歴を残したくない人にも配慮されています。
- 本名不要(ニックネーム)
- 顔写真も任意
- チャットは相互「いいね」後のみ開通
プロフィールの入力項目も最小限で、「とりあえず始めてみよう」ができるハードルの低さは◎。
実際にmarieで出会った体験談
Yさん(40代後半・会社員)との出会い

marieに登録してから間もなく、最初に深いやり取りを交わすことになったのが、Yさん(40代後半・既婚・会社員)でした。
最初のメッセージは、静かであたたかいものでした。
「こんばんは。家庭の中では“役割”を求められるばかりで、自分自身を誰かに見てもらえることがなくなってしまいました。あなたのプロフィールが、すごく自然に入ってきたんです。」
その言葉に、私も心を揺さぶられました。
毎晩のようにやり取りを重ねるうちに、Yさんの誠実さや言葉選びの丁寧さ、そしてどこか寂しげな芯の強さに惹かれていきました。
初めて会った日|「この人なら、大丈夫」と思えた空気
3週間ほどやり取りを続けたある日、Yさんの方から自然な形で「一度お茶でもしませんか?」と誘ってくれました。場所は互いに行きやすい駅近くの静かなカフェ。
画面越しで感じた印象そのままに、Yさんはとても落ち着いた、けれど内に温もりを秘めた女性でした。
「家では言えない話を、誰かに聞いてもらうだけで、こんなに楽になるとは思わなかった」
彼女のそんな一言に、思わず私も「ずっと話したかったんだと思います」と返していました。
その日、ふたりでゆっくり話し、別れ際に軽く手を握った瞬間、心の奥にあった“つながりたい”という感情がはっきりと形になりました。
その夜、ふたりは男女の関係になった
会って数時間後、気づけばYさんと私は、互いの想いを抱きしめるようにして、身体を重ねていました。
それは決して衝動的なものではなく、言葉では伝えきれなかった感情を、ようやく相手に届けるための“静かな肯定”のような時間でした。
「ありがとう、ちゃんと“女”として見てもらえた気がした」
「俺も、“男”として誰かに必要とされるの、久しぶりだった」
言葉にしなくても、何かが通じ合っていた──そんな夜でした。
今も月に一度、静かに会っている関係
それから半年以上が経ちますが、Yさんとは今でも月に一度、都内のホテルラウンジで会っています。
- お互いの家庭を壊す気はない
- でも、心と身体を通わせる“特別な場所”としての時間は、何にも代えがたい
marieという場がなければ、決して出会うことのなかった2人。
でも今では、「この人にだけは、本当の自分を話せる」という関係になれたことに、心から感謝しています。
大人同士だからこそ築ける“秘密の関係性”
恋人未満でも、家庭外恋愛でもない。
でも、そこには確かな信頼と温もりがある。
marieでのYさんとの出会いは、単なる刺激や逃避ではなく、“生きていくための支え”になるような関係でした。
大人になると、「好き」だけでは成り立たない関係がある。
でも、「理解し合える誰か」がいることで、日々の景色は少しだけ優しくなる。
Yさんとの関係は、まさにそれを教えてくれました。と感じています。終わることもあります。でも、それで十分だと感じる方には、marieはぴったりかもしれません。
Aさん(30歳・既婚・パート勤務)

プロフィールには「普段はパートと育児に追われてます」とだけ書かれていて、正直、どんな人かは想像がつきませんでした。
でもメッセージを交わす中で、彼女の人柄がじわじわと伝わってきました。
「家では“お母さん”で、外では“パートさん”。“ひとりの女性”として見てもらえる時間って、もう何年もなかった気がします」
その言葉にハッとさせられました。
たしかに、私たちは何かの「役割」に囲まれすぎて、自分自身を忘れてしまう瞬間がある。
私が「今日のやりとり、すごく楽しかったです」と送ると、Aさんはとても嬉しそうに返信してきました。
「こんなことでドキドキしたの久しぶり。誰かに“話をちゃんと聞いてもらえる”って、すごく贅沢ですね」
やりとりはほぼ毎晩、短いときでも3〜4通ほどのやさしい往復。
家庭に波風を立てることなく、それでいて“自分が自分に戻れる時間”を共有できた感覚がありました。
Bさん(40歳・既婚・看護師)

marieに登録して2週間ほど経った頃、落ち着いた口調のBさん(40歳)から「いいね」が届きました。
最初のメッセージには、簡単な自己紹介と、
「心がすり減ってる時ほど、“誰かと話す”ってことが大事なんですよね」
という言葉が添えられていました。
Bさんは看護師として日々命と向き合う仕事をしており、その責任と重圧に加え、家庭では2人の子どもの母としても全力を注いでいるとのこと。
ある夜、Bさんがふとこんなことをこぼしました。
「正直に言えば、寂しいです。でも誰にもそうは言えなくて。ずっと強がってました」
その言葉を読んだ瞬間、胸の奥がぎゅっと締めつけられるような思いになりました。
Bさんの文章には、一言一言に重みと優しさがありました。
「誰かに弱音を吐けるって、それだけで救いになるんですね」
そんな風にぽつりと呟くような言葉のやり取りが、私にとっても癒しでした。
Bさんとは一度、「会いませんか?」という話にもなりましたが、最終的にはお互い「今の関係がちょうどいい」と自然に落ち着きました。
女性との出会いを通して感じたこと

年齢も生活スタイルも違うけれど、共通していたのは「誰かと心を通わせたい」という静かな願いでした。
- 家庭や仕事では見せられない自分
- 誰にも言えない本音
- 寂しさに名前をつけられないまま抱えていた気持ち
それらを、誰かと共有できるだけで、人はこんなにも軽くなれるんだ――
そんな気づきを、彼女たちは私に与えてくれました。
marieは、ただの“出会い”を提供するサービスではありません。
心の声に気づき、それを受け止めてくれる人に出会える場所だと、私は思います。
安心感・安全性はどうだった?
- 顔出し不要
- ブラウザ完結なのでアプリ通知もなし
- しつこいメッセージは即ブロックできる機能つき
と、プライバシーへの配慮はしっかりしている印象です。
また、marie側が定期的にプロフィールチェックや不適切な言動への対応もしているようで、いわゆる“業者”っぽいアカウントには出会いませんでした。
使ってわかったmarieのメリット・デメリット
◎良かった点
- 「自分を肯定してくれる相手」と出会える感覚
- 匿名性の高さと心理的安全性
- 表面上の恋愛ではなく、内面的なつながりが主軸
△気になった点
- 地域によっては会員数が少ない
- 関係が深まりすぎたときの“距離感”は自分でコントロールが必要
✍ まとめ|“誰かとつながる”ことは、決して悪いことじゃない
marieで出会ったAさん、Bさんとのやり取りを通じて、私は改めて気づかされました。
「誰かに必要とされたい」「本音で話したい」――そんな気持ちは、たとえ結婚していたとしても、ごく自然で正直な感情だということに。
marieは、家庭を壊すための場所でも、刺激を求める場でもありません。
むしろ、今ある日常を大切にしながら、自分の心にもそっと目を向けてあげる。
そんな“心の避難所”のような役割を果たしてくれる、大人のための静かな出会いの場所です。
誰にも言えない気持ちを、そっと預けられる相手がいること。
それだけで、今日を少しだけ前向きに生きられる。
そんな感覚を、私はmarieで初めて知りました。
もしあなたの中にも、言葉にできない“余白”があるのなら――
marieで、その想いに静かに寄り添ってくれる誰かに出会えるかもしれません。

